2017年のWHITE DIVISION5回戦の東1局1本場のシーン。
親の石橋プロが小林プロから12000点をアガって迎えた東1局1本場。
解説には勝又プロ。直前の4回戦でトップを獲っているのでゴキゲンです。
以前に「手出し、ツモ切り」について記事にしましたが、今回も少しだけ関係のある記事になります。
それでは各者の配牌と点棒状況を見てみましょう。
配牌と点棒状況。
親の石橋プロ。
瀬戸熊プロ。
小林プロ。
藤田社長。
4巡目~6巡目。
4巡目に藤田社長がカンをツモってきて早くもテンパイ。
待ちはカン。
しかしドラも無く、役もない手恰好。
そして出ていく牌はドラの。
ここは出アガリの効かないダマテンに構えます。
やを引けば役有りに手替わりしますので、ドラが無くても打点が見込めます。でも悪くないですね。
しかし直後の5巡目。くっつきのイーシャンテンになった小林プロからが打たれます。
当然これではアガれません。
しかしこの切りが後に大きなポイントになります。
詳しくは下記の勝又プロの解説にて説明します。
そして6巡目。
を引き入れた小林プロからピンフのリーチが入ります。
待ちは。
小林プロは前局に12000点の放縦をしているのでどうしてもアガりたい場面。
そして次に藤田社長がツモってきたのは、小林プロには通っていない。
実際にこのは小林プロの入り目だった牌なので簡単に切れる牌ではないですね。
小林プロのリーチの現物はだけ。
打牌選択は
・をツモ切ってのダマテン継続。
・をツモ切ってのリーチ。
・の中抜き。
の3択でしょうか。
が切りにくいのでを切ってイーシャンテン戻しの選択も無くはないですが、が通る保証もないですし、中途半端な打牌になりそうです。
非常に悩む局面ですね。
実際に藤田社長も13秒くらい考えていました。
そして藤田社長の選択は
切りの追っかけリーチです。
カン待ちで勝負に出ます。
解説。
この判断について勝又プロの解説は
「降りるにしたら現物のを中抜かなければいけないが、それだとその後が続かない。この待ちリーチのひとつ有効なところは、石橋プロと瀬戸熊プロから見たときに、藤田社長は手出しでドラのを切ってテンパイしていることが分かる。その後の5巡目に小林プロがを打っていてロンの声が掛かっていない。その後の藤田社長はをツモ切りして、をツモ切りしてのリーチ。もし藤田社長が役有りの形なら小林プロの切ったで当たりなので、他の2人からしたらは両者に安全な牌に見える。手詰まって降りる牌に困ったら出てくることが高い」
との見解。
つまり、藤田社長はドラのの後はすべてツモ切り。切りの時点(4巡目)でテンパイが入っていたことが分かります。
その間に小林プロが5巡目に切ったが通っているので、このは2人(石橋プロと瀬戸熊プロ)から見たときに2件リーチに通りそうに見えるわけです。
もちろん藤田社長が役無しでアガれなかった可能性はあるのですが、別の角度から考えるともしこのでロンされたとしてもリーチのみの蓋然性が高いんです。
藤田社長はすでにを切っているので手の内のドラは無いし、見逃しているから役も無いことになります。つまり打点が高くないのがほぼ確実なんですよね(裏ドラ次第ですが)。
ドラを暗刻や槓子から1枚外してテンパイを取るケースもありますが、このドラのを暗刻から外してわざわざ役無しに構えるとは考えにくいですよね。もし暗刻からの1枚外しだと想像するとよほど待ちが非常に優秀な場合でしょうが、それだとダマテンにしている理由に説明がつきません。
槓子の4枚使いからの1枚外しなら既に小林プロの切ったでドラ3をアガってるわけですからね。
いろんな可能性を考慮するとこのは通りそうだし、通らなくても打点が安いことが想像できます。
急な2件リーチに安牌がなくて出てくることが考えられますね。
極端に言い方をすると、小林プロVS3人の局面を作り上げたことになります。
それを考えての追っかけリーチなのでしょう。
ちなみに結果は藤田社長の一発ツモ。
見事に1000.2000をツモアガリました。
まとめ。
・他の2人の降り打ちが狙いやすいならリーチ。
・当たっても打点が高くない。
・あえての追っかけリーチで他の2人を味方に。
・やっぱり手出しとツモ切りは大事。
おそらく藤田社長は手替わりを待ってのダマテンなので、狙ってこの状況を作り上げたわけでないないです。ただそれでも状況に合わせて常に最善の判断ができるのが本当に素晴らしいですね。
※記事内の画像、解説はAbemaTV(麻雀)からの引用です。
引用元サイト:AbemaTV(麻雀)