2017年のBLACK DIVISION1回戦の東1局3本場のシーン。
さて、ここからはBLACK DIVISIONの対局です。
対局メンバーやプレイヤー解説が変わるのでいろんな話が聞けるといいですね。
今回の解説は白鳥プロです。
では配牌をどうぞ。
配牌と点棒状況。
親は多井プロ。かなりまとまっています。
達也プロ。筒子が多めです。ドラは1枚。
今季初参戦の平賀プロ。
昨年の決勝メンバー佐々木プロ。
6巡目~11巡目。
今回注目したのが筒子のホンイツ模様の達也プロの手牌。
6巡目にドラのを重ねてを切っています。
まだリャンシャンテンですが高打点が期待できますね。
そして8巡目。
今度は多井プロの手牌。
タンヤオのリャンシャンテンのこの手牌に持ってきたのは生牌のドラの。
先にを切る手順もありますが、約11秒の小考の末、ドラのをツモ切ります。
それをポンする達也プロ。を切って跳満のイーシャンテンとなります。
は2枚切れなので残っていないですが、でテンパイが入ります。
そして9巡目。達也プロがツモって来たのは。
筒子のホンイツには不要な牌ですが、ここで一旦手の内に残して、
先にを切っています。
この判断は早かったです。ほぼノータイムの打牌選択でした。
そして10巡目にはをツモってきて
今度はを切ります。
11巡目にはをツモってきて、を切ります。
この切り順については後から解説があります。
12巡目~13巡目。
さて12巡目の多井プロ。
この形のイーシャンテン。
を切って目いっぱいの形に構えています。
そしてその後の13巡目には佐々木プロから先制リーチが入ります。
達也プロと多井プロになかなかテンパイが入らないなか、待ちのリーチです。
3巡目に切ったが光ってますね。
これはの出アガリが期待できそうです。狙い目でしょう。
そして直後の多井プロがツモってきたのがまさに。
7秒ほど小考しましたが、これは止まりませんでしたね。
リーチ、一発に裏が乗って5200は6100のアガリです。
昨年2016年の決勝卓の2人は2017年も楽しませてくれそうです。
解説。
ではさっそく白鳥プロの解説です。
達也プロのとの切り順について白鳥プロは、
「これが達也プロの上手いところですが(ポンの後の打牌で)先にノータイムでを切っておいて、のぼかしのためにを残しましたよね。このように先にを手出しにしておいて、いま(この)瞬間でがポンできれば、最終手出しがになるんですよね。そうするとの近辺が危なく見えるんですよ。でも実際に手の内には索子は何も持っていない形です」
「こうしておくのは本当は非効率(の受け入れが無くなる)なんですけど、周りが強いとそういう読みも入ってが出てきたりするんです。こうする方がアガリやすいという判断で先にを切ってますよね。(手出し、ツモ切りを)見てない相手にこれをやっても意味がないので、全員がちゃんとしっかり見てるという状況だとこういうプレイがアガリに結びついたりしますからね。この方法(の先切り)は僕もやりますよ。こうしておかないと(このメンバー相手だと)アガリが拾えないですからね」
と解説してくれています。
今回はの先切りでホンイツに見せない捨て牌を作った達也プロの手順についての解説でした。
ただでさえドラポンで注目されているなかで捨て牌に筒子が1枚も無いとなると、ホンイツが警戒されて字牌や筒子はなかなか鳴けないですからね。
結果として佐々木プロの先制リーチの決着が早かったためテンパイまで辿りつくことはできませんでしたが、判断の速さと技術の高さが垣間見れました。
実際にはが2枚切れなのでを残すメリットがそもそもあまり無いというのもありますが、もしが生きていても達也プロはきっと先にを切っているでしょうね。
白鳥プロも言っていますが、こういう河に迷彩を効かせる打ち方は対戦相手次第なので、簡単に鳴ける相手やそもそも「手出し・ツモ切り」を見ていない相手にはほとんど意味はないです。
しかし8巡目に跳満のイーシャンテンでポン材を外しての遠回りしてのホンイツ狙いは勇気がいりますよね。
白鳥プロも「非効率」という言葉を使って説明している通り、もし裏目を引いたときのショックが大きいです。
ただ長い目で見ると(もちろん場況や相手次第ですが)この方法を使ったほうがアガリ率を向上させることができますからね。
まとめ。
・何でも鳴かせてくれる相手や手出しとツモ切りを見ていない相手なら目いっぱいに構えて良い。
・ちゃんと「手出し・ツモ切り」を見てくる相手なら非効率な遠回りで捨て牌にぼかしを入れる。
・相手の捨て牌を上手く利用するためには、まず自分の捨て牌を見直そう。
・鳴きのテクニックは奥が深い。
※記事内の画像、解説はAbemaTV(麻雀)からの引用です。
引用元サイト:AbemaTV(麻雀)