2017年のBLACK DIVISION2回戦の南1局のシーン。
今回は麻雀の怖さというか、面白さというか、僅かな選択でこんなに後の展開が変わるものかと改めて感じた1局を紹介します。解説は昨年のチャンピオン多井隆治プロです。
それでは配牌をどうぞ。
配牌と点棒状況。
まずは親の猿川プロ。ラス目で最後の親番。ドラのが対子ですね。
藤田社長は筒子と字牌が多めの手牌。
白鳥プロは索子のイッツーが見えます。
滝沢プロはトップ目でが対子です。
5巡目。
この配牌が5巡目にこう変化しています。
好形のリャンシャンテン。
萬子と索子の処理が終わったところですね。
ドラのを使ったイッツーが本線でしょうか。
滝沢プロはテンパイまで少し遠いですが、無理をする場面でもないですね。
7巡目~14巡目。
さて、ここから場が動きます。
まずは猿川プロが
を引いてイーシャンテン。
の受け入れですね。
藤田社長はツモ。筒子が伸びてきています。
そして直後に白鳥プロから打たれたオタ風のをポン。
を切ってリャンシャンテンに構えます。
そして次巡には絶好のカンを埋めてイーシャンテン。
そして白鳥プロがを持ってきて小考。
ここで切られたを藤田社長がすかさずポン。
あっと言う間のテンパイです。カン待ち。ヤマには2枚です。
直後に白鳥プロはを引いて切り。
ここでイッツーは見切りですね。手広い形のイーシャンテンに変化しています。
イーシャンテンの猿川プロはツモ。下家の藤田社長は既に筒子が余っています。萬子の一盃口の芽を残して切りの選択もありそうですが、どこを外すのか。
ここでは素直にのツモ切りとします。
そして9巡目の白鳥プロ。
を重ねてテンパイ。を切ってリーチ。待ちはです。
そして次巡、藤田社長はをツモってきて、ノータイムでを落とします。
白鳥プロの3巡目の切りが気になったのでしょうか。
その頃、親の猿川プロはを持ってきて切り。萬子が横に繋がって更に受け入れの広いイーシャンテンへ変化しています。
藤田社長は2枚目のを落として迂回。
そしてリーチの白鳥プロが掴んだのは。さきほどテンパイを外した藤田社長がをもし勝負できていれば打ち取っていたのですが、これは結果論。
12巡目の猿川プロ。先制リーチの当たり牌のドラのを暗刻にしてついにテンパイ。
を切れば待ち、を切れば待ちです。
白鳥プロのリーチ直後の藤田社長の手出しのの対子落としを見ると危険牌を掴んで迂回してるよう(ノーテン気配)に見えます。いまなら筒子は通りそうです。
選んだのは。変則の4面待ちに受けたドラ暗刻リーチ。
勝負の決着は15巡目。
白鳥プロが掴んだが放縦になります。
リーチ、ドラ3の12000点。
解説。
さて、それでは多井プロの解説を聞いてみましょう。
「(猿川プロののツモ切りのシーン)ここはを切ろう。下家のホンイツの色は厚く持とう。中途半端に先に等を切ってロン(チー)されるのはイヤだから」
と。
親でドラが対子とはいえ自分はノーテンですからね。
この場面ならのツモ切りでもじゅうぶんに戦える形ですし、ギリギリまで鳴かせないようにしたいってことでしょうね。
「(藤田社長のノータイムの切りの降りについて)やっぱり3巡目の白鳥プロの河に(手出しの)があるからね。は怖い」
このシーン。
しかし藤田社長の降りの選択は早かったですね。解説の多井プロも言ってますが、ほぼノータイム。
結果としては通った牌ですが、の受けは実際に途中まで残っていましたのでやはり危険な牌なので間違いないです。
「たられば」の話ですが、このを勝負できていれば白鳥プロが掴んだで2000点をアガってたんですよね。つまり猿川プロの12000点のアガリも存在しなかったことになります。(狙ったわけではないですが)藤田社長の選択が猿川プロのアガリを誘発した形ですよね。
あとではなく4面待ちを選択した猿川プロですが、藤田社長の手牌に筒子が多くて萬子がないことを想像すれば萬子受けを含む4面待ちが良さそうですね。
「(白鳥プロのリーチに高めのが残っていないのを見て)リーチのみ対12000だからね。13対120。ほぼ10倍だよ、10倍」
と楽しそうに解説する多井プロでした。
まとめ。
・親でドラドラとはいえギリギリまで下家のホンイツはケア。
・定番だけど、序盤の「5」切りには「1-4」と「6-9」は危険。
・他家の染めてる色で待つよりは他の色で待とう。
・10倍ではなくて、約9.23倍。
※記事内の画像、解説はAbemaTV(麻雀)からの引用です。
引用元サイト:AbemaTV(麻雀)